Pride

14 涙を拭うキス ♪煉獄庭園





ロスメンの四角いスペースで
ダニエルはダンテの腕の中にいた。
「大丈夫?」
弐伊が訊ねる。
「うん・・・弐伊、
すこしだけ 時間ちょうだい。
こいつの ココロを救ってやれるの 俺なんじゃないかって
思う・・・」
「・・・」
「まってて。

弐伊、来てくれてうれしかった。
すごく
うれしかった」
「わかった・・・まってるよ」

***

「ダンテ・・俺にはおまえが眩しすぎるよ。
俺 おまえと一緒に過ごしだしてから
かなわないなって・・・
わかってた。
おまえが欲しいってキモチと
大切にしたいってキモチがせめぎあって
つらかった。
俺をこのまま 消して・・・
俺が消えても だれも 気にしやしない」
「おまえさびしすぎるぜ・・・・
もっと 自信をもて。
序列? そんな問題じゃない。
おまえ すごく きれいだ。
姿も ピュアな心も。

ずっと泣きつづけて
涙がココロを洗ってる・・・
けど、もう泣くな。

おまえを大切に思ってる人は必ずいるよ。
俺にも おまえは大切な友達。

俺、ちいさいときから とても大切にされてきた。
愛されてきた・・・
だから
おまえにもそれを分けるよ」

ダンテはダニエルの頬をつつみ
くちづける。
ダニエルにははじめての
優しいキスだった

(あったかい・・・おまえが みんなを 愛したんだな・・・ダンテ)



***









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