悪魔に恋した神様

§1
・神様のお気に入り


見ぃつけた・・・

お気に入りに・・・登録、っと。
ああ、アグレアスの一族か。
ソロモン72柱第2魔族・・・通称 弐伊・・

ふぅん、いいねいいね、あの憂いの表情が がくっと崩れるところを見たいなぁ。
一匹狼っぽいところも いいね。
くーっ、お近づきになりたいねぇ。

あらら、よく西の大陸にきているんだね。
一度 こちらから出向くとしようか・・・

いやしかし、便利だね、ロキの情報ツールは。
ロキがあちらこちらでわるさをするのは困りものだが、
こうしてデータベースを作ってくれるのはなかなかどうして いいものだわ。

で? 弐伊の今後の予定は・・・と

おや? ・・・・これはこれは、
こんなところで 懐かしい名に出会うとは思うてもおらなんだわ。

スパーダ・・・奴の血族に係わるのか・・・
こちらも注目しておかねばの・・・


***




「オーディーン! お部屋から出てこられないと思えばまた画像検索ですか。
「おお、ロキか。 今な、おもしろいものをみつけたところだ。
いいものだな、テレビというやつは。
世界中の情報を いながらにして目にすることができる。」
「だいたい 冬蛍の明かりだけの こんな薄暗い所で見ると目が悪くなりますぞ。
テレビをみるときは 部屋を明るくして、近づき過ぎないようにせねば!」
「やかましいのぉ・・・説教はかみさんだけで十分じゃわ」」
「あなたが 漫遊と称してヴァルハラを空けることが多すぎるので
わたくしが目にしたものを画像でご紹介しているのです。
あなたはこの地の象徴的神なのですから、あまり出張られていても困りますからな」
「そういうな。 直に手を差し伸べるからこそ
弱い人間は神の存在を身近に感じ、また畏怖するのだ。
神業もいそがしいわい。
わかるか?この わしの努力。ほめてよね」
「やんちゃな神もいたものだ」
「そちには言われとうないわ。
しかし お陰でめっきりでかけることも少なくなったであろう?
そちの目論見どおりというわけだな」

オーディーンは豪快に笑った。
そして まるで 悪巧みをもちかけるように ロキを手招きすると
モニターを指して言った。

「こいつ、落として見せるよ・・・・アグレアスの弐伊」




***






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