§1 向き合うこころ |
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感動の瞬間だと思っていた。
しかし 7年の間 待ち焦がれたその瞬間は
余りにもしずかで
かえって 兄弟のあいだに 深い溝をつくってしまったようにみえる。
瞬きのあいだに 7年を失ったバージルの
青い焦りと戸惑いは いたいほど よくわかる。
それでも 慕い続ける兄の背を追って とぼとぼと行く ダンテも切ない
ふたりの形だけの時間は 同調した。
しかし そのときに起こるはずの 空気の揺れも気配も まったくない。
「精神の同調・・・か」
弐伊は自分の力の及ばなさを感じていた。
「あとは ふたりの 絆の力を 信じていよう・・・
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「うわっ 重いわ!
・・・あとで、もう少し
話、聞かせてくれよな」
「・・・・・うん」
ふたりのこころは すこしずつ
向き合い始めていた。
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