悪魔に恋した神様

§6 梔子薫るときにD (♪: ピアノ曲が流れます




濡れ縁に並んで腰をかけたふたりの間に丸盆。
湯のみに酒。当てはあぶった干しわかめ。
「これ、すごく潮のかおりがするね。海の中に生えてるあれ?食べられるんだ、へぇ」
「少し苦味があるが、香ばしい。」
「酒、うまいね」
「ええ」
「月、きれいだね」
「ええ」
「やらして」
「ええ・・・じゃねぇ!なにいってんすか」
「もういいじゃん、あきらめなよ」
「神こそ あきらめてくださいよ」
「やらしてあげようか」
「ぜったい やです」
「月明かりはあんなにロマンチックなのに」
「関係ないでしょ。 俺、久しぶりなんですよ、こう、ゆっくり 他人と並んでいられるのは。
それじゃ・・・だめですか」


 


「・・そうか。 わしがその相手でうれしいよ。
もういっぱい くれる?





***











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