卒業
§4
ルートマップ3  (♪あおいとりのうた 刹那) 

*****

マップをチェックしているダンテの耳元で
また声がする

「そんなめんどくせぇことしなくても
もう 俺はお前の隣にいて
いつでも二人きりの会話ができるんだけどな」





「なんだよ・・・・いっただろ、お前は俺がコントロールする
感情の一部にすぎん。
勝手に前にでてくるな」
「冷てぇの!。
俺はお前の正直な部分を代弁してやるんだ。
押し込めておこうとすると
また
無理がでてくるんだぜ、わかってる?」
「ふん。いまはそうかもしんない。
無理をしてるの・・かもな。

だからおまえととことん向き合って
無理を無理でなくしてやるさ。
俺がいてこその お前なんだからな、
まちがえるな」





「旅先でテメェはなにをみつけるんだろ」
「わかんね。
なにも かわらねぇって 可能性もある。
でも わくわくしてるんだぜ、ほんとに」
「ふぅん・・・

恋人とはなれるのは
やなんじゃねぇの。
さびしぃぜぇ・・・
そだ、
たまに俺が相手してやるよ」
「はぁっ!? 気色悪いこというなっ」
「なんでぇ、まわりからみたら
マスかいてるようにしかみえねぇから
だいじょうぶさ」
「そういう問題じゃないだろぉが、獣!」
「ふふん、それも お・ま・え・・だ」
「とにかく おことわりだ。
俺と弐伊にはぜったい強い絆があるって信じてんだ」
「それとアレは別だ。
すぐ 揺らぐ」
「・・・ああ、情に流されやすいってなら
否定はしない。
今の俺はな。
みてろ。
俺は乗り越える!」
「光のお前があってこその陰の俺だと
てめぇは言った。
確かにその通りかもしれない。
しかし
いつでも入れ替わってやるからな。
闇のお前 つまり
俺こそが
お前の本来の力であることを
忘れるな・・・」





そういって 闇のダンテは消えた



「忘れていない。
そして
光の部分もまた
同時に
本来の力なんだって・・・

だから 俺は・・
・・・ふふっ」

堂々巡りしている。
道を前に開こう。

閉ざされた「自分」から卒業し
道を見据え 歩みだしていくのだ。

地図を手に入れた今。





(画:ナターシャ)
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