Stay with me. ('caz i luv u)

§2 邂逅A 音楽を流します




Stay with Me 2


***

「弐伊もう一杯いく?」
「ストレートにして」
「久しぶりに会ったのに こんな色っぽい話なんて」
「男同士の話とはおもえん」
「平和だ」

***
カウンターの反対側、店の入り口あたりがにぎやかになる。

「おお! 悪魔狩りの兄弟
きいとくれよぉ、オレっちんち まぁたガキうまれるんだよぉ。
女だったら嫁にしてくれる?」
「へぇ〜おめでとう!」
「おっさん やるじゃん」
「貧乏人の子沢山とはよくいったもんだが
にぎやかなのは いいや。
にいちゃんたちも きばれよぉ」
「余計なお世話ですぅ」

***

「うわっ オッサンがふたり、めずらしい!」
「弐伊どしたの!?
呑んでるの? やなことあった?」
「ダンテ、弐伊はいま 俺にくどかれてるんだ」
「うっそ〜〜!」
「よ・・四兄ぃ!」
「ほんと もうちょっとだったのに、こら 何の用だ」
「バイトないかなっておもって、
・・・つか、それよか、なに、ふたり どういう関係なんだよ」
「こらこら 四、やめろ バージルの口がとんがっちまうぜ。
古い友人がようやく再会したとこだ。
お前たちも喜んでくれ」
「そっか、そうなんだ そうだよな。
ねえねえ、四兄ぃ、 弐伊ってどんな子だったの」
「そうだな、気取りやで かっこつけてんだけど、
わりと うろたえやすくてな」
「今のまんまじゃん」
「うるさい。四、いらんこというな。
ああ、もう今日は締めだ。
ほれ ダンテ帰るぞ。」
「え、今俺来たばっか」
「四、また来ていいか」
「あたりめえだ」
「ああ、四兄ぃ、バイトあ・・・」
「ない! 平和すぎてしぼんじまいます!」

弐伊はダンテをひきずるようにして店を出て行った。


(画 : natasha)

「いっちゃった・・・」
「ちょっとまってて・・」

「ロベルト、わりい、店じまいだ。
今日の分は 奢るぜ。  かみさんの祝いだ。」
「え、そうかい?すまねえな」
「早く帰ってやれ」
「そだな、けえるわ、またなマスター」

男が去ると 四は表の札をClosedに回した。
座っているバージルに かがむようにして軽くキスをすると ―― 

「なにか 飲む?」
「ミルクシェイク」

「何年ぶりなの?」
「20年ぶりってとこか・・・」
「ともだち?」
「弐伊は兄貴の親友だった。
でもって 俺の憧れのひとだった・・・そういうこと」
「・・・」
「あのふたりが一緒にいると かっこよくてね、
男でも惚れ惚れしたぜ。
ある日 兄貴がさらわれた、消えちまった。
弐伊は自分の責任のように感じて 苦しんでた。
その苦しむ姿にさえ
俺は焦がれたね。 兄貴がいなくなったというのにさ。
俺は 弐伊の傍にいたかった。
慰めるためではなくて 欲したんだ。
でも弐伊の心は兄貴でいっぱいだ
弐伊は 俺の前から去った。
俺も追わない。

お前らの年頃の話だ。」
「そのキモチが復活しちゃった?」
「なんで? 俺にはおまえがいるのに?」
「四兄ぃ・・・酒くれよ。
ミルクなんか飲んでるガキ やだろ・・」
「かわ・・」
「かわいいとかやだ。」
「恋人を可愛いと思うのはふつうだ。
子ども扱いしてるんじゃない」
「恋人?」
「ちがうの? 少なくとも俺はおまえのこと
恋人だと思ってたんだけど・・・
明日学校?」
「創立記念日で午後から」
「んじゃ、時間はたっぷりだね」






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